ふしぎなキリスト教/橋爪大三郎、大澤真幸

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
橋爪 大三郎 大澤 真幸
講談社
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 結構面白かった。以下引用。

橋爪 議論のはじめなので、ユダヤ教についても、キリスト教についてもよくわからないという前提で、ふたつの宗教の関係を端的にのべてみましょう。
 では、その答え。
 ほとんど同じ、です。 (p.16)

 違うのは、この「神に対する、人びとの対し方」です。 (p.16)

 Godを信じるのは、安全保障のためなんです。Godが素晴らしいこと言っているから信じるんじゃなくて、自分たちの安全のために信じる。 (p.23)

 一神教の奇蹟の考え方を、よくあるオカルト信仰と勘違いしてはいけない。むしろ、オカルト信仰とは正反対です。世界は、Godが創造したあと、規則正しく自然法則に従って動いている。誰も、自然法則を一ミリでも動かすことはできない。その意味で、世界はすみずみまで合理的である。でも必要があれば、たとえば預言者預言者であることを人びとに示す必要があれば、Godは自然法則を一時停止できる。これが、奇蹟です。世界が自然法則に従って合理的に動いていると考えるからこそ、奇蹟の概念が成り立つ。 (p.117)

信仰というのは、意識のレベルと、本人が意識していない態度や行動のレベルとがあるような気がします。 (p.125)

 社会が近代化できるかどうかの大きなカギは、自由に新しい法律をつくれるか、です。キリスト教社会はこれができた。 (p.276)

理性を宗教にしたわけですね。 (p.283)